店員の勘、お客さんの「遊んだ記録」で答え合わせしてみた。ロンドンの「データで選ぶ」話、はじめます
吉祥寺のボードゲームカフェ・ロンドンが、これまで店員の勘でおすすめしてきたゲームを、お客さんが実際に遊んだ記録(データ)で見直してみる連載のはじまり。なぜ記録を記事にするのか、これから何を書くのかを、店頭の温度のまま宣言します。
「今日のおすすめ、何ですか?」カウンターで一日に何度も聞かれます。約440種類の棚を前に、来た人数とその日のテンションを見て、「これ、どうですか」と一本を出す。当たると素直に嬉しいし、外すと地味にへこむ。この一本選び、ロンドンはずっと店員の勘でやってきました。
ただ最近、その勘に裏を取れるものが出てきました。お客さんが実際に遊んだゲームの記録です。せっかくなので、これから何回かに分けて「勘」と「記録」を突き合わせてみようと思います。その第一声がこの記事です。
(おすすめをその場で出したりルールを説明したりできるのは、スタッフが常駐する土日祝です。平日はセルフ利用=会計時以外スタッフは付きません。)
店員の勘は、たぶん当たってる。でも証明はできなかった
毎日いろんな卓を見ていると、「この人数・この空気ならこれ」というのが、だんだん体に溜まってきます。初デートの2人にはこれ、わいわいの歓迎会にはこれ、と手が勝手に動く。野生のボドゲカフェ店員の勘どころ、とでも言いましょうか。
ただこれ、長らく「なんとなく」でした。よく当たる気はするけれど、お客さんに見せられる形ではない。「経験です」だけだと、正直こちらも説得力に欠ける。自分でもどこかで、たまたま当たってるだけかも、と思っていました。
紙の記録が、溜まってきた
ロンドンでは、遊んだゲームをスタッフが紙に記録しています。最近それをまとめて数え直したら、400組弱の来店、のべ1,500回近いプレイぶんになっていました。
(棚には約440種類ありますが、その全部が記録に出てくるわけではありません。実際に遊ばれて記録に残ったのは、いまのところ250種類ちょっと。やっぱり、よく遊ばれる顔ぶれが濃く出ます。)
これを集計すると、いろんなことが見えてきます。実際に何がよく遊ばれているか。何と何が一緒に遊ばれているか。何人で来ている人が多いか。 どれも、棚を眺めているだけでは出てこない数字です。
面白かったのは、勘とだいたい合っていたこと。そして時々、勘より正直だったことです。「人気だと思ってたけど、記録だとそうでもない」「逆に、いつの間にかみんな遊んでる」——そういうズレが、ちゃんと数字で出てくる。これは使えるな、と思いました。
だから、これから「データで選ぶ」話を書きます
宣伝でも、店員の自慢でもなく、記録に出たことをそのまま。さしあたり、こんな切り口で何本か書く予定です。
- 一緒に遊ばれているゲームの組み合わせ——「このゲームの次は、だいたいこれ」が記録に出ています。じつは突出した「相棒」ペアがありました。
- 実際にいちばん遊ばれているゲーム——人気の体感ではなく、実数で。
- 何人で来ている人が多いか——ここが分かると、「何人で行くか」で選ぶときの参考になります。
どれも、ロンドンの卓で実際に起きたことです。順番に出していくので、気になるものから読んでもらえたら。
でも、最後に箱を選ぶのは人です
ひとつだけ。データはあくまで入口です。最後はその日の卓の人数と空気を見て、店員がその場で一本を選びます。記録は「この組み合わせ、人気ですよ」とは教えてくれますが、目の前のあなたたちが今いちばん笑える一本までは知りません。そこは人の仕事として残しておきたいところです。
それと、ここで扱うのはあくまでゲームの話です。「あなたはこういうタイプ」とお客さんを当てにいくものではありません。主語はいつもゲームの側です。記録が見せてくれるのは、お客さんのタイプじゃなくて、箱と箱の相性のほうなので。
棚の約440種類は、ジャンルや人数で絞り込んで一覧から探せます。連載を待たずに、今日の一本を先に物色しておくのも大歓迎です。
第一弾は「一緒に遊ばれているゲームの組み合わせ」です。スタッフのいる土日祝に来店して「さっき◯◯を遊んで楽しかった」と言ってもらえれば、記録をたよりに「その隣」の一本をすぐ出します。
気になるゲームは来店時にスタッフが説明します。
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